75y 2002 4MT RestorationFileNo.1
75y BMW 2002のレストアプロジェクトをスタートさせる事になりました。
この車輛はすでに売約となっており、新オーナーの意向を取り入れながらのレストアレーションとなります。
フルオリジナル・フルノーマルではなく、新オーナーのスパイスが随所に取り入れられた一台として完成する予定です。
75y E10 2002 2Dr SportSedan
Engine 1,990cc 4cylinders 100PS/5,500rpm
GearBox 4Speed MT
オリジナルのパーツは今では手に入り難い物も有りますので慎重に取り外します。メッキパーツは新品が手に入れば良いのですが、入手が難しい場合は再メッキ加工を行い再生させます。時代を感じさせる三角窓もオリジナルパーツを大切に取り扱います。ルーフも綺麗な状態で凹みは見られません。
ドアやクォーターの板金はどのようにでも修正できますが、ルーフやピラーのひずみの修正などは難しいものです。
古いからと言って無差別にベース車輛を選択してはいけませんね。
後期モデルの角型テールランプ。左右の角型テールランプも色褪せや割れは有りません。トランクフードにも凹みは無く綺麗な状態です。左ウインカー下に若干の錆と凹みが有りますが特に問題の無いレベルです。一体型のダッシュボードは経年劣化で割れ易く、画像の様に亀裂が入ってしまう事が多くあります。
このタイプの新品部品はすでにデリバリーされていませんので、しっかりと再生していきましょう。
今回フェイスパネルは交換せずに板金で綺麗に修復していく予定です。
この様な細かいパーツもこだわって再生させます。クーラーのドレンパイプの取り回しが悪く、おそらくフロアはダメでしょう・・・
後部座席から見た前席全景。
リアトレイはスピーカー取付の為の穴も開けられてしまっているので、鉄板を切り出し交換します。エンジンはノーマルのソレックス・キャブレター40PDSIシングルキャブ仕様。エンジンルームにも錆の発生は少なく良い状態です。経年を考慮してもこれぐらいの錆は想定内です。防振材も全て取り除いていきます。
オリジナルのスペアタイヤ、ジャッキ等全て揃っています。経年・走行距離を考えれば、レストアベースとしては申し分の無い2002になります。
今回のレストアも今までと同じ下記の内容で進行する予定です。
当然、新オーナーの意向などで内容変更が出て来ると思いますがそれもレストアの醍醐味ですので
様々な変化も楽しみながら製作したいと思っております。
【75y 2002 Restoration 作業内容】
★ボディ★
No.1・・・フレーム・下廻り
総剥離(剥離作業が進むごとに写真はブログでアップします。)⇒
フロアやフレーム部分の腐りは板金溶接にて完全に修復。
(剥離後に腐りがあまりにも酷い場合はNewパーツを使用して溶接)⇒
研ぎ⇒プライマー処理⇒サーフェーサー処理⇒シーリング処理⇒アンダーコート⇒
本塗装(タイヤホイールハウス内のみ、下廻りフロアはアンダーコート処理)
No.2・・・外装・室内・エンジンルーム・トランクルーム・ボンネット/トランクフード
総剥離(こちらも剥離作業の進行状況はブログにて)⇒
板金(ボディパネル、ドア、ボンネット/トランクフードに関しては水の浸入によって
腐りの出やすいポイントを確認しましたが、酷い穴あきも無く使用出来そうなので
出来るだけパテの使用しないハンダ板金で仕上げを行いマルニ本来の美しいボディラインを
成形していきたいと考えています。)⇒
研ぎ⇒プライマー処理⇒サーフェーサー処理⇒研ぎ⇒本塗装
(トランク内は一部をチッピングコートし、その上から本塗装で仕上げます。)
プライマー・・・R-M ユーロフィルクロムフリーウォッシュプライマー
サーフェーサー・・・R-M プロフィラー グレイ(厚膜仕様)
アンダーコート・・・ヘンケルテロソン Terotex-Record 2000HS
外装塗料・・・R-M DIAMONT(BMW純正)
カラーはGranada Red023を予定。
以上の工程と部材を使用してボディは仕上げていく予定です。
No.3・・・ボディ装飾品
前後バンパー&オーバーライダー
⇒今回、フロントバンパーは無しで仕上げていきます。当時のラリー車などに良く見られた仕様ですね。
またターボフェンダーを装着し、ボディサイドモール・ステンレスプレートはそれに合わせて無しの方向で。
リアバンパーは日本でしっかりと再生されたリクロームバンパーを装着予定。
ミラーはvitaloni。
ドアハンドルなどの小物パーツもリクロームか新品かで検討中です。
ドアウェザーストリップ交換。
F・Rウィンドウガラスウェザーストリップとウェザーストリップの化粧モール交換。
フロントグリル交換。
前後ライトベゼルは交換。
各レンズ類(ヘッドライト/ウィンカーレンズ/テールレンズ/ナンバー灯)交換。
ナンバー灯に関してはASSYで交換。
各パーツを固定するナットボルト類は全て新品に交換。
アルミはワタナベ。全てのガラスは新品に交換。
★機関★
No.1・・・エンジン/エンジンルーム/電装
全ガスケット交換(シール・パッキン類含)。
全ボルトナット交換。
全ゴムホース類交換(冷却水ホース・ブレーキホース・フューエルホース・エアホース)
それに伴い全てのホースバンドも当然交換。
フューエルポンプ交換。
オルタネーター交換。
ラジエターオーバーホールか交換。
ブレーキマスターシリンダーオーバーホール。
内燃機関加工(ヘッド容積指定面研/バルブガイド入替/シートリング入替/ホーニング)
ピストン交換(0.25mmオーバーサイズ)
バルブ交換
メタルは親・子共に交換。
クランクシャフトはそのまま使用。
ピストンの重量合わせやクランクシャフトのバランス調整。
Weberのシングルキャブ。
エンジンパーツに関しては一度サンドブラストで表面の錆や汚れを落としたのち
アルミパーツは1,000番程度のガラスビーズで仕上げを行い未塗装でフィニッシュ。
結晶塗装で仕上げる箇所や粉体塗装で仕上げる箇所が出てくれば進行中に写真で随時アップしていきます。
エンジンルーム内のちょっとしたパーツやインシュレーター、ステッカー等のパーツも当然交換していきます。
No.2・・・ミッション
4速マニュアルミッションはギア抜けやシャフトからの異音は無くコンディション良好の為
このまま使用しますが、サンドブラストにてミッションケースの汚れや腐食を取り除きます。
フライホイールは面研。
★シャシ★
No.1・・・マウントブッシュ類
エンジンマウント・ミッションマウント・ユニバーサルジョイント・プロペラシャフトベアリング
フロントアクスルキャリアブッシュ・フロントコントロールアームブッシュ・
フロントスタビライザーマウントブッシュ・デフマウントブッシュ・リアアクスルキャリアブッシュ・
リアトレーリングアームブッシュ・F/Rショックアブソーバー&コイル・スプリングパッド・
バンプラバー等全てのブッシュは交換になります。
ボルトナットやワッシャは新品への交換もしくは再メッキを検討中です。
No.2・・・ブレーキ廻り
前後ハブベアリング交換。
前後ブレーキローター交換。
前後ブレーキパッド交換。
前後ブレーキオーバーホール。
ブレーキフルードライン&ブレーキホース交換。
フューエルタンクは内部洗浄し、防錆処理後にタンク外側は塗装。
★内装★
内装に関しては、オーナーと打ち合わせ中。
純正シートで仕上げるかコブラシートなどの社外品をチョイスするかは悩んでもらっています。
今回の2002レストアプロジェクトですが2016年5月からスタートしており順調に作業が進行中です。
当然他の作業も有りますのでレストアのみに集中して製作する事は出来ませんが
今まで培ってきた2002のレストアの経験を生かし年内にはある程度、形にしていきたいと思っております。
今後の作業もブログで御紹介していきますので楽しみにお待ち下さい。
2016年07月22日