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RESTORE REPORT

90y E30 M3 DiamondBlack RestorationFileNo.6

DSC05091_R今回は90y E30 M3 DiamondBlack Restorationの記事になります。
第一回第二回第三回第四回第五回と引き続き今回は第六回となります。
前回ではエンジンを降ろして各部を分解していきましたが、今回は分解したパーツの取り扱いについて御紹介していきます。DSC05090_R分解したパーツは紛失や取り付け場所を確認する為に取り外した部分毎に必ず小分けにして整理し、
その際、再利用出来るパーツと使用不可なパーツも同時に見極めつつ分解作業を進めます。DSC05093_R取り外したパーツは状態を確認しつつ、汚れているパーツは綺麗に洗浄後にブラスト作業や
再メッキ加工が必要なパーツはメッキ処理をしていきます。DSC05092_R油性マジックは溶けて消えてしまいますので打刻出来るパーツは打刻で番号をふっておきます。DSC05096_R分解可能な物は更に細かく分解して各部の洗浄をして
消耗したパーツがあれば新しい物へ交換致します。
オイルポンプは後程分解し、トロコイドローターのガタなどがないか状態を確認しましょう。DSC05097_RDSC05101_Rシリンダーブロックの状態を確認する前に付着したガスケットや汚れなどを綺麗に取り除き
計測をする準備を進めていきます。DSC05108_R取り外したカムシャフト、クランクシャフトは歪みや傷、摩耗等を慎重に確認しつつ綺麗に洗浄していきます。DSC05119_R取り外したインテークバルブです。
若干の錆とカーボンスラッジの堆積が確認出来ますね。
バルブは傘の状態、バルブシートとの当たり面の荒れ、
ステム部分の摩耗やバルブガイド間でのガタツキが無いかをチェックしましょう。DSC05118_RDSC05121_Rエキゾーストバルブになります。
当然、インテークよりカーボンスラッジが多く堆積していますね。DSC05120_Rインテーク・エキゾースト共に多少の荒れはありますが、ステムの状態も良く
バルブフェーズを綺麗にしてあげればそのまま使用出来そうです。DSC05116_R取り外したパーツは塗装が必要なパーツはブラスト後に再塗装をし、
再メッキが必要なパーツはユニクロ、クロメートメッキに再メッキ加工致します。
アルミパーツは綺麗な梨時を出す為にガラスビーズを打ち処理を致します。DSC05117_RDSC05115_RDSC05155ストレートエッジを使用してシリンダーヘッドに歪みが出ていないか平面度測定を致します。
今回は特に問題は無かったのですが、オーバーヒートをしたエンジンは歪みが出てしまう事が多く、
歪みが多少の場合はヘッドの研磨をして規定値内へ加工作業が出来ますが、あまりにも大きく歪んでしまったパーツは
研磨に掛かる負担がその他のパーツへ影響を与える為、研磨では対応出来ず交換になる場合があります。DSC05158シリンダー・ブロックも同様に歪みが出ていないか平面度測定を致します。
測定は6箇所行いストレートエッジへシックネスゲージを差込み平面度を測定致します。
ボア径やボア内部も綺麗な状態だったこともあり
今回のブロック、シリンダーヘッド共に面研の必要は無く、面出しを丁寧に行えばそのまま組み付けに入れそうです。DSC05122_Rこちらは、取り外したスロットルボディになります。
こちらも分解出来るパーツは分解をして状態を確認しつつ
再メッキ加工が必要なパーツはユニクロ、クロメートの再メッキを致します。
アルミのボディはブラスト処理をして本来のアルミの梨地を出していきます。
スロットルバタフライはそれぞれ決まった気筒に戻せるように番号をふっておきましょう。
間違えると確実に調子が悪くなります。DSC05123_Rスロットルバタフライスイッチはスイッチの内部接点の摩耗具合を確認して摩耗が多ければ新しいパーツへ交換となります。DSC05124_Rスプリングのパーツ一つ一つも使用可能か確認し使用可能であれば再メッキ加工していきます。DSC05129_Rスロットルボディを更に分割。DSC05132_R更に取り外していきます。DSC05134_Rスロットルロッドを取り外し、リテーナースプリングも洗浄してからメッキ加工を施します。
DSC05136_R一つ一つのパーツの可動箇所にも注意を払い不具合が出ていないか慎重に分解致します。
DSC05137_Rスロットルシャフトを取り外します。
DSC05140_Rシャフト部分を分解していきます。DSC05143_Rシャフトを取り外すと内部のボールベアリングが見えます。
このベアリングの動きもチェック。圧入されているので取り外しが難しいです・・・
DSC05145_Rシムワッシャーは再使用しますので、無くさないように。
重なっていた順番も覚えておきます。
DSC05146_Rスロットルバタフライスイッチを取り外し、フランジも取り外します。
プラスネジ部分を舐めたりするとアウトなので、こういった作業は集中力が必要ですね。
経年などで固着している事も多いので尚更です。

…と、まだまだ作業は続きますが今回の記事はここまでになります。

今回はエンジンやスロットルボディを分解しましたが、今の所は異常と言える大きな問題は出ておりません。
しかし古いパーツが多く、生産が終了してしまっているパーツもございます。
現状のパーツが使用出来るかを慎重に見極め、使用可能なパーツに関してはメッキ処理等を施して再生していきます。
次回はどこまでレストアが進んでいるのか…次回のレストア記事の更新もお楽しみにお待ち下さいませ。
この記事を御覧になって御自身の車輌もレストア作業をして蘇らせたい・・・
とお考えでしたら当社までお気軽に御相談下さいませ。

2015年12月27日